ネットワークビジネス(MLM)
高校を卒業して半年、あまり親しく無い知人から電話が掛かってきた。
お決まりの「良い話があるねん!」と。
ファミレスに呼ばれ、そこには知らない女性と知人が居た。「女でも紹介するのか?」と思い、淡い期待を抱いたが、鞄から取りだされた商品カタログには1mmも興味を持てなかった。
マセラティを買うだの、ベンツを買うだの壮大な夢を持っていたが、まるっきり興味を持てなかった。
その後、交際していた女性が補正下着のネットワークビジネスに参加。正直またか・・・と思いファミレスに向う。
そこでも知らない人にビジネスの説明を受けるが、1mmも興味を持てない。
一泊二日の自己啓発セミナーにつれて行かれ、最後のフィナーレでは皆ワンワン泣いていた。
ネットワークビジネス、MLM(マルチレベルマーケティング)、ネズミ講など様々な呼ばれ方をするが、要は販売活動なのである。
知人のリストを作り、片っ端から電話を掛け、顧客を探す。ガチガチの営業活動である。イベントや集会に集まる姿を見ていると、「時給にすればなんぼよ?」と思ってしまうのだ。
権利収入とか、空いた時間でとか甘い言葉での誘いが多いが、そんなに生易しい物では無い。
自分の販売力の他に、グループの販売力を上げないと収益にはならないのだ。営業力の他にマネージメント力が無いと自分のグループの売上はいつまでも上がらないのである。
数年後、ネットワークビジネスのプランを作る仕事を少しした。原価から販売価格を設定する時、かなり高めの上代設定をしなければいけない。それは報酬の原資を確保せねばいけないからだ。その為、ネットワークビジネスの商材は総じて高い。
確かに、物が良い商品も多い。しかし一般流通での価格と比べるとどうしても高くなる。もちろん自分が販売した分、報酬を得られるので価格的なバランスは取れるかもしれないが、誰かが最終的に負担しているのだ。
副業としてネットワークビジネスを選択する場合、メリットは商品やシステムを自分で作る必要が無く、販売のみに特化できる部分だ。
もちろん販促品なども主催会社が用意してくれる。
その為、商品・販促物の作成やビジネスモデルの構築をする必要が無い。
なので営業が得意、マネージメントが得意であれば成功しやすいかもしれない。
デメリットは最初の資金や在庫を抱えたり、友達を無くすとか言われるが、それはどのビジネスにも言える事だ。
成功する人はどの分野でも成功するし、成功しなければ被害者としての想いが強くなる。
上位数パーセントに入るには、どのビジネスも大変だ。