経営者目線は無くとも事業主目線。
従業員に対し、「経営者目線で頑張って欲しい」と言う社長様が居るが、所詮無理な話である。
期待をしているのであれば早くに諦めた方が良い。
そもそも、経営者と従業員では情報量が違うのだ。
上場会社であれば決算書も開示されているが、中小企業で決算書を社員に開示している会社がどれほどあるだろうか?
大抵の中小企業は決算書を従業員に見せる事はない。決算書は企業の通知簿なので良くも悪くも見せたくないのだ。
企業の状況を知る為に決算書はある。それを開示もせずに「経営者目線で~」というのはどういう目線を望んでいるのだろうか?
なにより、「社長と同じ給料出していますか?」と聞いてみたい。経営者目線と言うのなら、まず同じ待遇が必要だ。
それもせず、少しでも自分と同じ立場で物事を考えて欲しいと言うのは都合が良すぎる。若しくは責任逃れだ。
ポジションはそれぞれ違う。社長は社長、部長は部長、一般社員には一般社員の職責がある。経営者は経営者の仕事をするのだ。何も一般社員に経営者目線を無理強いする必要性は無い。
会議室でどんなに威張って見ても、フォークリフトの運転が出来る奴が居なければ荷を運ぶ事も出来ないのだ。まともに請求書を発行する事も出来ないかもしれない。それぞれの持ち場で仕事をしているのだ。それが組織だ。
もちろん経営全体を見て、職務に当たる事は問題ではない。むしろメリットの方が多いだろう。しかし、それを経営者が言う事では無い。自分で気付くしかないのだ。
本当は誰もが事業主みたいなものなのである。
何処に就職するか?自分を高く評価して貰える所に就職する。それは「自分」という商品を少しでも高く売っているのだ。
家族が居れば家族を養うだけの収入が必要である。当然、家族を養える給料を貰える会社に就職しなければならない。
毎月貰える給料はPL(損益計算書)、貯金はBS(貸借対照表)日々の暮らしの中で事業を行っているようなものなのだ。
給料より多く使い過ぎれば赤字になる。反対に少しでも貯金が出来れば黒字だ。
そう考えれば誰もが事業主なのだ。 自分の能力や時間を提供し給料(売上)を稼ぐ。
「経営者目線で~」と言う前に良く考えて欲しい。